WiFiの新規格

今回発表されたiPhone11に新規格のwifi６（IEEE802.11ax）が使えるようになりました。

このwifi６（IEEE802.11ax）はどんなものなのか、対応しているルーターがあるのかを調べてみました。

　ｗｉｆｉの規格　

そもそもwifiは無線LANの規格の一部です。
無線LANの規格はIEEE802.11に定められていて、wifiはこのIEEE802.11に準拠したものです。
axが決まった時に今後の名前は(wifi)と統一して表記されるようになりました。

現在のIEEE802.11の規格は下記表の種類があります。

規格	周波数帯	最大通信速度
IEEE802.11b	2.4GHz	11Mbps
IEEE802.11g	2.4GHz	54Mbps
IEEE802.11a	5GHz	54Mbps
IEEE802.11n	2.4GHz 5GHz	600Mbps 600Mbps
IEEE802.11ac(wifi4)	5GHz	6.9Gbps
IEEE802.11ad(wifi5)	60GHz	6.8Gbps
IEEE802.11ax(wifi6)	2.4GHz 5GHz	9.6Gbps 9.6Gbps

IEEE802.11 ac 〜 axは他の規格と比べてデータ転送速度が大幅に向上しています。
これはMIMO（マイモ）という技術を使い、複数のアンテナから同時に異なるデータを送ることで、大容量データを高速に送ることができるようになったためです。

現在（2019年9月）販売しているルーター（無線LANの親機）のほとんどが802.11acまでです。
子機（スマートフォン等）が新規格対応していても、親機（ルーター）が対応していなければ使うことはできません。

参考：通信速度で表記されているbpsは 1秒間に遅れるbit数を表しています。写真などデータの量を表す単位はbyteで、1bit×8=1byteとなることに注意が必要です。

• データ転送時間の計算（５０MBの画像データを送る場合）

50Mbyte＝50M×8＝400Mbit です。

802.11nなら400Mbit÷600Mbps=0.67秒
802.11acなら400Mbit÷6.9G×1000＝0.058秒となります。

802.11aから5GHzの周波数帯を使い始めました。
簡単に考えて周波数が高いほど１秒間に送れるデータ量は増えます。
しかし、デメリットもあります。
高周波は壁などに弱いです。
なので、設置場所・使用場所に応じて２.４Gと５Gを選びましょう。

　チャネルについて　
　IEEE802.11では2.4GHz、5GHz帯がよく使われるため、混線を防ぐためにチャネルと呼ぶ区切りを周波数帯ごとに設定しています。
　2.4GHz 13チャネル
　5GHz 20チャネル
あります。

　自宅のルータがなぜか遅いと感じる場合は、付近で同じチャネルを使っている人とチャネルの競合が起きているかもしれませんので、設定の見直しを推奨します。

　新規格802.11axとは　
　802.11axは高密度環境での速度低下を起こさないよう設計された規格です。
　高密度環境とは、同時に無線LAN接続する台数が多い状況のことです。
　都会のコンビニのFree-WiFiが繋がりにくいというのは、高密度状況になり、ルーターのキャパシティオーバーでデータ転送量が少なくなったというものです。
　802.11axでは上り（アップロード）、下り（ダウンロード）の両方でMU-MIMOを使用し、複数デバイスからの同時接続が安定するようにされています。
　また、デバイスの省エネ化にも役立つと言われています。
　これは通信環境に応じて、弱い電波でも通信できるなら出力を弱くするなどして、省電力に貢献するものです。

　他にも通信速度向上のための技術がいっぱい入っていますが、802.11axは「（複数デバイスが同時に接続しても）速度低下しにくい」、「（従前より）省エネ」。この２つに特化したものだと思います。

　現在802.11axが使えるルーターは　
・ASUS
　RT-AX88U(2018.12月発売) 42,000円
　GT-AX11000(2019.5月)58,000円

ASUS(エイスース) RT-AX88U 超高速Wi-Fiギガビットルーター ゲーミング対応 [11ax/ac Nitro-QAM/n Nitro-QAM/a/g/b・wtFast技術] 最大4,804Mbps (RTAX88U)

 

ASUS ゲーミングトライバンド WiFi ルーター GT-AX11000 プロセッサー 1.8 GHz 搭載 2.5ギガビット DFSバンド WTFast

 
・バッファロー
　WXR-5950AX12(2019.10月中旬) 43,000円

WXR-5950AX12 バッファロー 11ax（Wi-Fi 6）対応 無線LANルータ 親機(4803+1147mbps)(WAN/LAN 10Gbps)

BUFFALO WiFi 無線LAN ルーター WXR-5950AX12R Wi-Fi6 11ax/11ac AX6000 4803+1147Mbps 初回限定版

 
・NETGEAR
　RAX120(2019.6月) 59,000円
　RAX80(2019.3月)48,000円
　RAX40(2019.7月)27,000円

ネットギア・インターナショナル Nighthawk AX12 ワイヤレスルーター RAX120(RAX120-100JPS) 目安在庫=△

NETGEAR 11ax Wi-Fi6 次世代 WiFiルーター 速度AX6000 接続台数72台 マルチギガポート搭載 WPA3対応 4,800Mbps+1,200Mbps RAX120-100JPS

・エレコム
　WRC-X3000GS(2019.秋) 未定

順次増えていく見込みですが、購入するにはまだ高いです。

　まとめ　

wifi6の転送速度はものすごく期待できそうです。

公表されている９.６Gbpsは最大ですので、実際の環境で６０％有効速度が出たとしたら４．１Gbpsの速度で使えることになります。
しかし、ルーターもPC・スマホ等も高い。
各メーカーから対応機種が出揃うまでは「待ち」です。
10Gの通信網もそれほど普及していないので、１〜２年は気にしなくてよさそうです。