以前に紹介したBluetoothイヤホンの記事からすでに半年が経過しました。
記事で紹介したイヤホン(前回記事:Bluetooth イヤホンのコーデックによる遅延の違い - Disp_Rider’s blog)は半年の間、ほぼ毎日使っています。
イヤーカップ?の大きさが合わなくて調整したり、耳へ固定するゴムも変えてみたり、左右の重さのバランスが悪いので、針金で固定してみたり。
色々なことをしてきました。
なんとなくバッテリーの持ちが悪くなり、駆動時間も4時間くらいしか使えなくなってきましたので、そろそろ新しいものを購入しようと考えています。
以前はイヤホンジャックが壊れたので急遽購入しましたが、今は余裕があります。なるべく良いものを購入しようと検討します。
また、前回の記事では紹介していない「高音質」コーデックについても少し触れたいと思います。
まずは再生機器側の把握から始めました。
Bluetoothのバージョン
現在私の使用している再生機器はiPad Pro(10.5インチモデル)が主です。
このiPadが対応しているBluetoothのバージョンはVer4.2です。
ちなみに新型iPadPro(11インチモデル)はver5.0です。
流通しているBluetooth対応の再生機器(スマホなど)は基本的にVer4.0 以上になっています。
最近の機器では無いと思いますが、イヤホンとスマホのBluetoothのバージョンが一致(もしくは再生機器が上)でないと上手くペアリングされないことがあります。
Bluetoothのバージョンによる機能の違いを記載します。
- Ver 4 :以前より大幅な省電力化
- Ver 4.1 :電波干渉抑制、同時2台接続対応など大幅な改善あり。通話中でもBluetooth機器が使えるようになった(通話電波に干渉し難い)またこのバージョンより自動再接続されるため、使い勝手が良くなっています。
- Ver 4.2 :通信速度向上、さらに省電力化
- Ver 5.0 :通信速度がさらに向上。通信可能範囲の拡大(max400m)
色々ありますが、どのバージョンが良いかというと、劇的に変わったVer4.1以降が良いです。
Ver5.0から複数の機器に接続できるようになりましたが、複数のモバイル端末に繋ぐことは無いので、Ver4.1に対応していれば十分だと思います。
ちなみにiPhoneの場合は
- iPhoneSE 〜iPhone7までがVer4.2
- iPhone8 からVer5.0になってます。
iPad ProがVer4.2だと確認できたので、改めてコーデックについて確認します。
コーデックの種類
音データを変換するコーデックは複数あります。
以前の記事では高音質コーデックを紹介していなかったので、通常音楽再生で使用するコーデックを列記します。
- SBC: 遅延あり、高音域に弱い。利用可能機種は多い。
- AAC: 遅延あり(SBCより通信速度は速い) 、主にiPhoneで使用される。SBCよりは高音質。
- aptX: 遅延少ない。低圧縮率のため、高音域もよく聞こえる。主にAndroidで使用される。(276kbps)
- aptX HD: 従来のaptXでハイレゾ相当の高音質伝送するためのもの。ビットレートは固定で最大48kHz/24bit(420kbps)。(通常のaptXは48kHz/16bit 276kbps)既存のaptXで再生するための下位互換性を持っている。
- aptX LL: 従来のaptXをより低遅延に特化させたもの。
- LDAC: ハイレゾ音源向けの圧縮技術。音質は良いが、遅延あり。音質のビットレートは可変型(330kbps、660kbps、990kbps)。
それぞれ特色がありますが、基本的な選び方は単純です。
- 低遅延ならaptX LLです。(動画、ゲーム向き)
- 高音質ならLDACです。(音楽向き)
プロファイル
プロファイルを簡単に説明すると、再生機器(スマホやプレーヤ)とイヤホンなどがBluetoothを使ってデータ通信するための設定のことです。
今回は、音楽や動画再生に使用されるものだけをピックアップしています。
- A2DP: 音楽再生用プロファイル。(通話機能も可能)対応しているコーデックはSBC、AAC、aptX、LDAC様々な再生機器に初めから設定されている。
- AVRCP: オーディオ機器のリモコン用。ワイヤレスオーディオのリモコンにも使われる。
- HSP: モノラル用。片耳用ヘッドセットなどで使われるが、音質は良くない。
- HFP: HSPの機能にハンズフリー通話機能を追加したもの。操作機能も追加されている。
A2DP以外は音を聞くのに向いていません。
ほぼ全てのスマホなどはこのプロファイルを標準搭載してます。
一部のヘッドセットがHSP/HFPのみ対応となってるので気をつけてください。私は一度失敗しています。
コーデックとプロファイルの関係
コーデックが低遅延に対応していても、イヤホン、再生機器の両方がプロファイルに対応していないと使用することができません。
大抵のBluetoothに対応した音楽・映像再生機器はA2DPプロファイルを持っているため、問題はありません。
気をつけるのはヘッドホンなどがA2DPに対応してるかです。
音質と速度の相関図
個人的な主観でまとめると、下記の表のようになります。(プロファイルはA2DP)
※あくまでも個人的なイメージです
- 音質が良いのはLDACが飛び抜けています。
- 低遅延なのはaptXLLです。
私が聞いた限りLDACとaptXHDに大きな差は無いと感じました。音楽が好きな方ならもっと違いを感じるかもしれませんが…
「骨伝導」のイヤホンを試してみたところ、思いのほかよく聞こえます。
しかもSBCで遅延も少なかったです!
上の画像でSBCに遅延があるようにしてしまいましたが、訂正してお詫びします。
SBCでも低遅延な機種はあります。
まとめ
結局のところ、Bluetooth Ver4.1以上対応のもので
- 音楽だけを聞くならば『LDAC』
- 動画視聴、ゲーム用ならば『aptX LL』
この2択で選べば良いです。
例えば、LDAC対応機器は
aptX LL対応機器は
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2018.3.8発売、再生時間:6時間、BT 4.2、対応コーデック SBC、aptX、aptX LL
このあたりを基準にして選ぶと良いと思います。
ちなみに私はパナソニックのRP-HD300Bを購入しようと思います。
大きくて持ち運びは不便のはずですが、連続再生時間が飛び抜けて長く、カナル型のように耳の中に入れる必要が無く長時間使っても耳が痛くなりにくそうだからです。
しかし、長時間使った時に別の場所が痛くならないかが心配です。